初ソープでイメージプレイ専門店に行った時の話。後編

 

 

ノヴ「お部屋は3階になります。」
そう言って階段を登るノヴに続く。
そうか、ここはノヴの城だ。いわばリアル4次元マンションだ。
3階に上がると、奥の方の部屋まで案内される。館内は古めのカラオケ施設といった具合で、狭い廊下の左右に扉が並び、それぞれ「自宅」であったり「教室」などと書かれた札が貼られている。

左奥の部屋のドアに手をかけ、扉を開けるノヴ。「ではここがお部屋になります。診察台に腰掛けてお待ちください。」そう言われて部屋に入る。
中は薄暗い。診察室とは言っても小綺麗な病院のイメージではなく、地方にある小さな内科のような感じ。よくAVとかで見るやつだ。籠に荷物を入れ、言われた通り診察台に座って待つ。

しばらくすると、コンコンという小さなノックと共に、ピンクのナース服を着た姉ちゃんが入ってくる。
ナース
「こんにちはー。担当の〇〇です。先生が他をまわってるので今回は私が担当しますね。よろしくお願いします♡今日はどうしましたー?」

早速である。扉に入った瞬間からこの空間は診察室で、ぼくは患者、彼女はナースなのだ。これからえっちな診察をされちゃうんだ。語尾のハートマークだって実際見えてるような気がした。その割には落ち着いている自分に気付く。そうか、ノヴのおかげで現実感が麻痺してるのかもしれない。ありがとうノヴ。

ぼく
「なんか最近身体がだるくて...ちょっと熱っぽいんですよね」
ここは非日常。だが何を言ってもそれが日常になる空間だ。それにしてはかなり平凡なセリフを選んでしまった。「おちんちんが破裂しそうなんです!(ボロン」とか気が利く台詞が咄嗟に出てこない。さっき中途半端な台本を読んだせいだろうか。

ナース
「あらあら。じゃあちょっと鼓動を見てみよっか。服を脱いでそこに寝転んで?」
ぼく
「分かりました。うつ伏せですか?」
ナース
「もう!背中が上じゃ鼓動が聞けないじゃない!仰向けになって♡」

しょうもないボケにもちゃんと突っ込んでくれる。なんて良い世界なんだ。羽織っていたシャツを脱ぎ、診察台に横になる。
ナースさんは じゃあみていくねー、と言って首にかけた聴診器を使って診察を始める。
ナース
「うわぁ、すごく鼓動が早い...。大丈夫?」
ぼく
「いや、ちょっとだめかも...うっ」

ナースの聴診器がぼくの乳首に触れる。同時に左の手でぼくのお腹を撫でる。あ、聴診器で乳首をツンツンされるの弱かったんだと気付く。

ナース
「身体、すごくあついよ?ちょっと熱っぽいかも。どこか痛いところはある?」
ナイスだ。さすが慣れているだけある。ぼくの下手なパスを上手く捌きアシストしてくれている。ここは勢いでいくしかない。

ぼく
「痛いところ...そうですね、下半身が痛いというか、熱っぽいというか」
エロマンガの読みすぎである。だがここではこれが日常なのだ。なんの問題もない。

ナース
「そっか。じゃあちょっと触診するね?」
彼女は優しくぼくの下腹部をさすっていく。あ、これはやばい。えっちな触診ってこんな興奮すんのかよ。まだ服の上からだというのにおちんちんはビンビンだ。数十分前に「ちゃんと勃つかな」なんて言ってた自分を投げ飛ばしたい。息子は試合前に備えて充分な睡眠を取っていただけだったのだ。修学旅行の前日に興奮して眠れなくなって当日寝不足ではしゃげない自分みたいな人間より、こいつの方がよっぽどスマートだ。まさか自分のチンコに体調管理を学ばされる日が来るとは思ってなかった。

ナース
「あれ?ココ、ちょっと腫れてる?痛くない?」
ちんこを撫でるナース。
ぼく
「うっ、はい、かなり熱っぽくて、は、腫れてる感じがします」
自分のことだろう。そこは断言してほしい。

ナース
「そか。でもこのままじゃつらいよね?服、脱ぐ?」
ぼく
「その方が良いかもしれません」
言われるがままだ。

ナース
「じゃあ脱がせるね?」
そう言ってナースはぼくのベルトを外し、チャックを開けズボンをおろし始める。
その瞬間、あぁ今ぼくは他人に、ましてやナースさんに勃起ちんこを見られようとしているんだなと自覚し震えてしまう。もう泌尿器科には通えない事だろう。

ナース
「あれ?さっきより腫れてる!大丈夫?痛くない?」
ぼく
「痛くはないですけど...でも熱くてつらいです。これってどうすれば」
それにしても献身的なナースである。本当に心配している体なのか、はたまたさっさとちんこに辿り着きたいのだろうか。たぶん両方だ。
その瞬間、そういや俺って入院患者だったな、と思い出す。

ぼく
「これじゃ...今日中に退院は無理ですよね?」
長期入院患者の癖に今日退院するつもりなのか。
ナース
「もぅ!そんなの無理に決まってるでしょう?ちょっと考えが甘すぎよ?ココだってこんなに腫れてるんだし。」
この状況が甘々である。

ぼく
「で、ですよね。はぁ、これ大丈夫なのかな。こんなの初めてだよ。この腫れって治るもんなんですか?」
この時点で年下で軟弱な患者という設定はある程度固まってしまった。
ナース
「どうかな?まだなんとも言えないなー」
ナースはそう言って股間をさする。もうパンツの上から完全に握られてしまっている。ギアはドライブに入っている。

ぼく
「これって、さすったりマッサージすれば血行が良くなったりして腫れが治るんですか??」
素直におちんちんマッサージしてと言えない自分が恥ずかしい。いやこの状況も十分恥ずかしいが。

ナース
「そうねー、血行を良くするのは大事。でも1番大事なのは溜まってる毒素を出すことなの。これだけ腫れてると...直接見ないとね。脱ごっか♡」
ぼく
「は、はい!」
そういって彼女は僕のパンツを脱がすと、太ももに馬乗りになる。
完全にエロマンガである。

ナース
「うわー、もうこんなに腫れてる♡これは毒素を出さないとマズイよー。直接触るね♡」
ぼく
「あっ」
エロマンガである。

ナース
「うわっ!?すっごく熱いよ?これはすぐに治療しないとダメだよ♡」
ぼく
「はぁーっ///」
エロマンガである。

ナース
「これは...♡ちゅっ♡」
ぼく
「ひぃっ!!」
ナースの舌が患部に触れる。そのままなだれ込むように患部を口に咥え、なんとも卑猥な音が診察室に響く。即尺だ。
ナース
「んー♡どう?♡」
ぼく
「んはっ、ぁぁちょっと待ってっぅぁ!」

いや本当待ってくれ。展開が早すぎやしないか。これじゃ快楽天の巻頭カラーだ。
ていうか僕も僕だ。雰囲気で興奮してたとはいえ早すぎやしないか。もう完全にエロマンガのテンプレに乗ってしまっている自分に気付く。
でもしょうがないじゃないか!
興奮するんだもん!!
気持ち良いんだもん!!!
さすがに感じすぎているぼくを見て、

ナース
あっちょっと止めよっか。まだ出しちゃだめだもんね?やりすぎちゃった?」

今日初めて彼女の素を見た瞬間であった。
時計を見ればまだ10分も経っていない。これじゃ早漏にも程がある。ナースと目が合う。彼女は悪戯っぽくはにかむ。
このままじゃどうしようもないので、無い知恵を必死に振り絞って会話をする。
ぼく
「っあぁっ、は、はい、ちょ、ちょっとこれは悪化しちゃうかもしれないです」
早漏ではない。病気なのだ。なんてったって僕は長期入院患者なのだ。悪化して死んじゃったりなんかしたらどうするつもりなんだ。
どちらにせよこのままの状況はまずい。何とかして状況を変えなければいけない。せっかくの舞台だ、誰しもそう思うのではないか。
"まだ10分"。この選択が後にどう影響するかなど、この時の僕は知る由もない。

ぼく
「と、ところでぼくだけほぼ裸なのはちょっと恥ずかしいですよぉ...。お、おねえさんもちょっと脱いでくれたら恥ずかしくなくなるかもー、なんて」
22にもなってこんなショタみたいなセリフを吐くとは思ってなかった。ナースさんの呼び名を決めかねていたのもあり、今後彼女の事はおねえさんと呼ぶ事になる。ますますショタっぽい。
だが、我ながら状況を一変させるには良い判断だったと思う。一呼吸ついたことによって息子も落ち着いたようだった。

ナース
「えー?♡じゃぁー、これくらいで良い?」
そう言って胸のファスナーをちょっぴりおろすナース。
ぼく
「えー!それだけ!?僕なんかおちんちん出してるのに!?それじゃ全然恥ずかしさが紛れないよ!!」
快感の波が引いて冷静になったとは言え、必死すぎである。もはやクレーマーだ。さっきまで喘いでた男とは思えない。
だがしかし!この世界では!これくらい日常なのだ!
ナース
「しょうがないなー♡これでいーい?」
ナースさんからすればこんな場面日常茶飯事なんだろう。そう言ってナース服上部のファスナーを8割程おろすと同時に服から肩を抜いて脱ぐ。深い橙色のブラが露わになる。

ぼく
「うわー、おねえさんそんな派手な下着でお仕事してるの?いやらしいなー」
マイナス80点の返しである。まるで冴えない竿役の台詞だ。それにしてもやけに強気である。ちんちんさえしゃぶられてなければもう怖いものなしだ。
そのままブラ越しに胸を触る。
ぼく
「おねえさんも触ったんだし、おあいこ、だよね?」
実際にいった台詞である。文字に書き起こしている段階で引く。これは結構キツい作業だぜ。

ナース
「もー♡うん、いいよ♡」
こうなればもうイケイケ押せ押せである。胸から腰、お尻へと満遍なくナースさんの身体を堪能する。
ぼく
「おねえさん体温低いね。ぼくとは大違いだ」
ナース
「それはあなたが病気だからでしょ?でもたしかに身体は冷えやすいかも。平熱は35度台かな」
ぼく
「35度!?そりゃあ大変だよ。さすってあげるね?」
雑談も挟みつつ愛撫を続ける。今度はこちらが診察する番だ。上体を起こしてそのまま背中に手を回し、片手でブラを外す...つもりだったが、上手く外せない。実はプレイ中、これが1番恥ずかしかった。調子に乗るのも大概にするべきなのだ。

ナース
「なにー?外したいの?いいよ♡」
僕の中では穴に埋まりたい案件でも、ナースさんにとっては些細な事だった。ありがたい。結局抱きしめるように両手をまわし、左右の手でブラを外す。たわわのご開帳である。すぐさましゃぶりついた。情緒もあったもんじゃないが、ナースさんはあらあらうふふと笑うのみである。これが日常(ry

せっかくなので、もう少しシチュエーションで遊ぼうと思いつく(もう十分遊んでいる気もするけど)。

ぼく
「こんなことになっちゃって...治療とは言え先生が来たらまずいんじゃない?」
お前が言うのか。
ナース
「確かに見つかったら大変だよ?でも先生はまだ他のお仕事があるから。」
そして耳元に近付き、
「でもさ?普通に考えてよ♡ただの治療でここまでしないよ?キミだけだから♡」
そう言って抱き合う2人。ここが世界の中心だ。
そのままの流れでキスをする。

ナース
「ちょっとスイッチ入っちゃったかも♡」
これで2人のスイッチがONになった。あとはブレーカーを落とさないようにパーティーを続けるだけだ。秘所に手を伸ばして言う。
ぼく
「おねえさんって体温低いね。でもココは熱いよ?しかもちょっと湿ってる...もしかしておねえさんも病気?」
ナース
「もう!分かってて言ってるでしょ?ほら、直接触って♡」
そう言うと彼女は布越しに触っていた僕の指を、その内側へと誘う。
ぼく
「うわぁ、もうこんなに濡れてる」
あまりにもベタな台詞しか吐けない自分のボキャブラリに失望するが、僕の指はそのまま彼女の中へと進んでいく。
ナース
「もっと奥に入れて?♡ほら、ここ、そうもう少し上っ♡あっ♡」
慣れない僕をリードしてくれる。なんて献身的なんだ。
ナース
「っ♡もう我慢できなくなっちゃった♡じゃあ脱ぐね?」
そう言うと彼女はパンツを下ろし、ナース服だけを残し半裸状態になる。下着を脱がすことに強いこだわりがある客も多いのだろうか、彼女の口調には含みがあった。脱いじゃうよ?良い?自分で脱がす?履いたままが良い?よーしじゃあ脱ぐからね?と問われているようだった。
思わず感動した僕は
「おねえさんも舐めてくれたし、僕もお返ししなきゃ...ですよね?」
よく言う。もう今思い返すと最高にダサいし恥ずかしい。でもこの時の僕はドヤ顔である。
そのまま彼女は背を向けお尻を突き出してくる。69の体勢だ。弄るよりも先に舌を使って舐め回していた。もう言葉は出てこなかった。一心不乱に彼女の恥部をしゃぶる。舌を膣内に入れる。じゅるじゅると汚い音を立てて。演じてくれているのだろう、彼女は手の動きを止めて喘ぎ声と共になだれ落ちた。味や匂いなんて覚えていない。それくらい夢中だった。

ナース
「もう入れたいでしょ?♡」
再び2人で顔を合わせる。騎乗位の体勢になり、彼女は用意してあっただろうゴムを口に咥え、僕のおちんちんに装着してくれる。話には聞いたことはあったが、体験してみると実に艶やかで無駄のない動作だった。
彼女は腰を上げ、ゆっくりとおろす。
ナース
「入っちゃったね♡」


20分後


いやごめんなさい。つい数時間前の出来事なのに、自分の体験を書き起こすことがこんなにキツいとは思ってなかった。ツッコミをいれつつ書き進めないと恥ずかしすぎて精神を保てない。ましてやセックスシーンとかもう無理だよ本当。どうツッコめば良いのか分からないというかいやまぁ突っ込んでるんだけどさ。

さて、いくつかの体位を経て、ぼくは後背位で腰を振っていた。もちろん診察台の上だ。メジャーな体位の中ではこれが1番しっくり来るし気持ち良い。もしかしたらもっと気持ち良い体位があるのかもしれないが、あいにく四十八手は心得ていなかったのだ。甥っ子には勉強は大切だぞ、知識がないといざという時に後悔するぞ、と強く言い聞かせることにしようと思った。彼はまだ3歳だが。

そろそろ良い頃合いである。60分コースで残り時間は半分を切った。彼女も先ほどからペースが激しくなっている。無論ぼくもだ。診察室に響く腰を打ち付ける音と彼女の喘ぎ声が徐々に大きくなっていた。ゴールは近い、はずだった。

ここで僕は重大な事実に気付いてしまう。

ー射精感が込み上げてこないー

そう、イケないのだ。
中折れしている訳でもない。息子は平均に比べて控えめサイズとはいえビンビンである。開始10分で射精しそうになった彼とは大違いだ。割礼の儀式を受けた部族のように、今の彼は頼り甲斐がある。彼は俺に任せろ、と言わんばかりに僕を引っ張ってくれている。
彼にとってはまだフルマラソンを折り返したぐらいの感覚なのだろう。だが、僕の体力ではハーフマラソンが限界なのだ。体力があってもフルマラソンに挑戦してしまっては時間切れが見えている。

不感という訳でもなく、しっかりとナースの膣圧を感じている。ラストに向けて彼女の締め付けがキツくなった、気がした。僕もそれに応じようと、必死に腰を振る。
ブレーカーは上がったままだ。

違和感に気付いた彼女と目が合う。
「体位、変えてみる?」
ぼくらは再び騎乗位へと戻った。なんとなく最初に感じた興奮を思い出して、射精感がこみ上げてくるのではないかと思っていたが、そう簡単には行かなかった。
腰が動く。気持ちいい。中折れだってしてない。でも、ぼくが達することはなかった。
ふと、射精感よりも初めて会った相手と腰を動かすタイミングを合わせるのって難しいな、なんて考えている自分に気付く。この状況に慣れ、少し冷静になっていたのかもしれない。情熱を燃やさなければ。
時計を見る。残りは20分。情熱よりも焦りが込み上がってくる。それに気付いた彼女は、ぼくの乳首を舐め回し、より一層激しく動いてくれる。
2人の動きが止まる。
彼女は
「どうしよっか?」
とはにかむ。近くの籠からヘアゴムを取り出し、肩ほどまである髪をくくった。彼女も焦っているのだ。
僕はただただ情けなかった。ついさっきまで早漏がどうだと騒いでいたのに、今度は遅漏である。息子との意思疎通がうまくいっていない。子育てを間違ったのかな、なんて考えが頭をよぎる。

ナース
「ちょっと待ってね。」
彼女は僕から離れ、診察台を後にする。診察台には全裸の僕が残った。ちんこは真っ直ぐに天を見上げている。
誰もいない宇宙空間に投げ出されたみたいだった。こわかったし、不安だった。本当はその場で笑いたかったかもしれないし、泣きたかったのかもしれない。でも僕はただ真顔で天井を見つめることしか出来なかった。

すぐにナースさんが戻ってくる。おそらく数秒、でも僕には長い長い時間だった。彼女は片手にローションを持っていた。ローションを垂らす。
「大丈夫、すっきりしちゃおうね」

もうこの時の感情を上手く表現できない。
ただ一つ言えることは、あの時間、あの場所には患者がいて、ナースがいた。
病気に抗おうと必死にもがく患者と、それを懸命に支えてくれるナース。これは治療そのものだ。
ただリアルな世界がそこにはあった。

ナースさんはゴムの上から息子をしごく。だが気持ち良いだけで状況は変わらない。苦しむ患者を見て彼女はゴムを外してそり立つそれを口に咥えた。僕が数十分前に達しそうになった状況と一緒だ。
ナースさんはすごい勢いで僕のちんこをしゃぶり尽くす。今までで1番気持ちよかった。SEXよりフェラチオの方が気持ちいいなんてよく聞くが、僕はその通りだな、と思っていた。
「出そうになったら言ってね♡」
なんて慈愛に満ちた言葉なんだろうか。僕には彼女がナイチンゲールに見えていた。ナイチンゲールが僕のちんこを一心不乱にしゃぶっている。僕は歴史の証人になった。より動きが激しくなる。
「あぁ、イキそう、かも」
「うんっ」
彼女がタイミングを合わせてくれている。それが仇となったのかは分からないが、結局僕が達することはなかった。時計を見る。残りは15分。
「ごめんなさい。凄く気持ちいいのに、でも、いけなくて」
最低だ。謝ってしまった自分が本当に情けなかった。彼女の尊厳を奪ってしまう発言を前にしても、ナースさんは
「大丈夫だよ。だってこんなにおっきぃままだもんね♡」
と言ってくれ、激しい手淫と濃厚なフェラチオを繰り返してくれる。
僕は必死だった。彼女の乳を揉みしだいたり、ニーハイとスカートの間の太ももを撫でながら、ただ快感に身を任せようとしていた。僕は目を瞑る。性感を高めなければならない。今までのオナニーのおかずが走馬灯の様に駆け巡った。少し持ち直した気もしたが、それ以上の進展はない。

ふと、頭の中でテレクラキャノンボール2013で耳を塞ぎ、必死に腰を振って射精せんともがいていた梁井さんの映像が浮かんだ。
DVDを借り、自宅で友人と爆笑しながら見ていたことを思い出し、自分を恥じた。梁井さんは必死に戦っていたのだ。
まさか僕がこっち側になるとは思いもしなかった。環境も条件も全く違う。むしろ僕の方がはるかに恵まれているというのに自身の射精をコントロール出来ない。ただつらかった。
電話が鳴る。残り時間が10分になった合図だ。これ以上ない焦燥感に駆られた僕を、ナースさんが励ましてくれた。なんと言われたかは覚えていない。それくらい必死だった。

電話が鳴った直後だったと思う。ついにその時が来る。
「あぁっ出そう、あ、いく、出るよっ!」
「うん♡」
今度はナースさんも手を止めなかった。そのまま口に咥え、ゴールに備える。

 

その日1回目の吐精だった。

 

どれくらい出たのかは分からない。けど、込み上げる射精感はいつもよりも長かった気がした。ナースさんはわずかに声を漏らしながら、しっかりと僕を包み込んでくれていた。
シャカシャカでフィニッシュ。テレクラキャノンボールだったら減点である。

僕の吐精を最後まで受け止めた事を確認した彼女は、うがいをしに診察台を離れた。
診察台に1人横たわる僕は、情けなさや申し訳なさを感じつつも、安心感と、献身的に僕を支えてくれたナースの優しさにただただ感謝していた。
さっきは宇宙空間に投げ出されたような心持ちだったが、今は違う。ここは現実で、彼女はナース、僕は患者だった。ナースさんの治療のおかげで、僕は救われたのだ。圧倒的な現実、リアルな世界がそこにはあった。
役割を終えた診察室の陰からは、お湯を溜める音だけが響いていた。

 

その後の事は事細かく書く必要もないだろう。
よかったぁー、と言いながらナース服を脱いだ彼女が戻って来る。彼女も安心したのだろう。ホッとした表情だった。
「身体洗おっか。ちょっと急ぎ足になっちゃうけど許してね♡」
プレイが終わればそそくさと雑な対応をとられることも多いとはよく聞いていたが、一連の行為が終わってもなお彼女は優しかった。ここにきてようやく僕はソープに来たんだ、という実感が持てた気がした。

2人で雑談をしながら身体を洗ってもらい、お風呂に入る。今日のこと、他のお客さんの変わったシチュエーションのこと、ここらへんで美味しいご飯のお店のこと。そんな話をした。実はこういうの初めてなんです、と告白した僕に驚く彼女。えー、こういう場所は普通のお店に飽きた人が来るんだけどなー。最初にここじゃあ普通のお店が楽しくなくなっちゃうよ、と笑いながら言う。僕もその通りだなと思った。思わず笑みがこぼれる。初めてのお店がここで本当に良かった、心からそう思えた。

身体を拭いて服を着ると、
「じゃあいそごっか。これ以上遅くなると怒られちゃうよ」と彼女が笑って僕の手を引いて扉を開ける。時計を見ると終了時刻を5分過ぎている。延長取られちゃうかな、なんて笑いながら呟く僕に大丈夫だよ、とはにかむ彼女と腕を組んで階段を降りて行く。受付に通じる最後の階段の隅で2人は抱き合う。僕は感謝の言葉を伝え、笑顔で彼女と離れた。最後の階段を降り受付に辿りつく。
「ご満足いただけましたか?」
男が囁く。ノヴだ。すっかり忘れていた。まだいたのかお前。でも彼のおかげでいつもの生活に戻ってきた感覚を得た。
満面の笑みで話しかけてきたノヴに礼を告げる。職場でもこれくらい愛想良くしてくれれば良いのに。

店を出ると、雑多な路地に明るい空が広がっていた。キャッチの呼びかけをかわしながら「今さっきやってきたばかりなんだけどな」と心の中で微笑む。

あ、そういやオプションのパンティ貰うの忘れてたな、なんて思いながら僕は歓楽街から離れた。

後日談に続く?