初ソープでイメージプレイ専門店に行った話。前編。

 


 

※えっちシーンは後編からです。

 http://notomoco.hatenablog.com/entry/2017/09/24/004023

 


これから正義の話をしよう。

 

嘘です。これは風俗童貞が初めてえっちなお店に行ったお話です。
通い慣れてる人にはありきたりな話かもしれませんが、童貞の僕にはあまりにも濃すぎる時間だったので備忘録としてその日のうちに書き残そうと思って書いたものです。

 

そしてもう一つ。これはレビューでも何でもないです。実話です。ドキュメンタリーです。

 


その日の僕は1人旅の途中で、長距離バスの車内でひたすら滞在先の風俗情報を調べていました。

きっかけは、

  • 兄が通っているという西川口にある某手コ◯クリニックの話を聞いて風俗に憧れを抱いていた
  • 前日泊まった先輩の家で性癖の話で盛り上がってしまい、行って来いと背中を押された

ためです。単純すぎる。しかし純粋に興味もあったし、国内でも有数の歓楽街の近くに行くわけだから今が絶好のチャンスだと思ったわけです。
その日は泊まる宿もなく、ラブホで宿泊してデリヘルを呼んでしまおうと思ってたものの、ラブホは予約が出来ず、料金もビジホよりは割高なのでどうしようか迷っていたところ、風俗情報サイトで気になる店を発見。
サイトには「イメージプレイ専門!あなたの好きなシチュエーションや衣装で楽しめます!」の文字。
タイミングが大事だってブラビも言ってたし、これを逃す手はないだろう。僕はその店へ行くことに決めたのでした。

 

以下が当日(途中で寝落ちしたので翌日にかけて)僕が書き残した文章です。

 

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バスターミナルに到着し、すぐさま店に電話をかける。番号を押す指が若干震えていた。おそらくこの時が1番緊張していたと思う。
口コミサイトではおばちゃんが受付をしているとのことだったが、電話に出たのはお兄さんだった。初めてなのですが予約は可能ですか?と伝えると、少々お待ちくださいと言われ噂に聞いたおばちゃんに代わる。
その後は割とスムーズだった。まず希望の子を聞かれる。20時から予定があったため、僕に残された時間は4時間ほど。この枠内で選ばないといけないため、その旨を伝える。
おばちゃんに先に好みの娘を教えてくれ、と言われたので、第1希望だった娘の名前を告げる。16:30か17:30なら問題ないとのことだったので、余裕を持って17:30から60分コースでお願いしますと伝えた。
次はシチュエーションだ。ナースさんとイチャつくことしか考えてなかったので迷わず診察室を選択。コスチュームはもちろんナース服である。
最後に予約内容の確認と、来店の1時間前に確認の電話をするように言われた。なるほど、そういうのがあるのか。僕は分かりました、よろしくお願いします、と告げて電話を切った。
あまりにもあっけない時間だった。なんだ、余裕じゃん。携帯の画面を見ると、通話時間はたったの3分1秒。

妙な高揚感に包まれた僕はまずiPhoneのアラームを16:25にセットした。そしてすぐさまるるぶのサイトで今日泊まる宿を探す。近くにある手頃な値段のホテルを予約し、そこへと向かう。チェックイン時間は30分後だったし、ちょっとコンビニでも寄ってから歩いていけばちょうど良い時間だ。
道中、シャワーは浴びてから行った方が良いかな?ゴムは用意しなくて良いよね、ホテルに着いたら歯を磨かなきゃな、とか、そんなことを考えていた。

 

ホテルに着き、予約内容を告げる。直前の予約だったせいもあり、フロントの姉ちゃんは少しもたついていた。可愛い。ちょっと申し訳ないなと思っていると、お部屋が空いていたので広めの部屋にさせて頂きました、と言われる。これはラッキーだ。運も味方につけてるぞなんて浮かれる。頭の中で姉ちゃんに今からナースさんとセックスしてきます♪とウインクしてその場を離れる。
ルームキーをもらいエレベーターに乗る。部屋に入るとツインルームだった。はしゃいで写真まで撮った。こんなことならデリヘルでも良かったじゃないか!と笑ってしまう。
荷物を置き、迷った挙句軽くシャワーを浴びることにした。シャワーから出て歯を磨きおえたところで携帯のタイマーが鳴る。電話の時間だ。
リダイヤルするとさっきのおばちゃんが出る。確認の電話であることを告げるとお待ちしておりますと言われ切られる。30秒ほどだった。

ギリギリに行って遅刻するのもこわいので、早めに出ることにした。Googleマップによれば、ホテルから店までは徒歩17分だ。30分前には現場周辺に到着できるだろう。
ちょっと緊張もあって、途中のコンビニでスミノフICEを買う。これくらいなら匂いも残らなさそうだったし、何より素面で挑むことに不安があった。

 

途中でスミノフを飲み終え、ずんずんと街をあるいていく。17時過ぎには歓楽街に到着した。店の場所を確認してから近くの広場で時間を潰すことに。気分はまるでデート前の女子高生である。
しかし。今からセックスをするというのに、ぼくのおちんちんはホテルを出てから冷静な状態を保っている。このままで本当に大丈夫なのかと焦るぼく。対照的に息子はぐっすりだ。心に身体が付いてこないとはこのことなのだろう。もはや引退直前のアスリートである。

 

おろおろとしているうちに予約時間の15分前になった。こうなればもう覚悟を決める他ない。初ソープで勃起出来なかったなんて良いネタになるじゃないか!そう自分に言い聞かせ、店へと歩みを進める。開戦だ。

 

 

道中のキャッチを交わしつつ、目的の店の前へ到着。何というか他のソープとは明らかに装いが異なる建築物が、ぼくの目の前に、ある。
他店が高級ホテルとすればここは老舗旅館といった風貌だろうか。何も知らない人が見れば駄菓子屋だと言うかもしれない。緊張とは違う胸の鼓動を感じている自分に気付く。店の前では2人のおばちゃんと1人の若い男性が談笑している。ふと、友人と冷やかしで行った飛田の風景を思い出す。そうか、ここはソープ。
看板の店名も間違いない、ここだ。

 

店に入り予約している事を伝える。すると受付のにーちゃんは笑顔で対応してくれる...のだがなんだろうこの違和感。にーちゃんの顔を見た僕はハッとした。

 

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こ、この人、人事部のノヴ※だ!なんでここに!?え、本人!?双子!?


※人事部の偉いさん。HUNTER×HUNTERに登場するノヴに激似だったので勝手に命名。勿論精神が折れる前である。

 

緊張は若干解けた。が、突然のノヴの登場にぼくの頭は混乱中である。そんなぼくを優しく待合室に誘ってくれるノヴ。なんて紳士なんだ。ぼくがオナニーしてる最中に内定の電話をかけてきた件は水に流してやろうと思った。おちんちん出しながら採用決定の電話を受けたぼくの切なさは今晴れたのだ。

待ち合い室に通される。すぐにお茶とおしぼりを渡され、時間までしばらく待つように言われる。
4畳あるかないかの空間に、2人がけの赤いソファーが2つと小さな本棚、そしてぼくが1人。端に置かれたテレビではローカルニュースが流れている。女子野球日本代表に密着した特集だった。ぼんやりと画面を見つめながら、偶然にもマニアックな店でマニアックなニュースを見ているこの状況にちょっと和む。

 

辺りを見渡すと、壁一面に使用可能なコスチュームの一覧が張り出されている。
イメージプレイを専門としているだけに、その幅は広い。安っぽいアイドル風衣装から本格的なメイド服にチャイナ服、市内に実在する高校の制服まである。夏服冬服完備だ。これで痴漢プレイなんてした日にはもう前日の自分に戻る事は不可能だろう。
野球のユニフォームはなかった。

 

反対側の壁を見ると、プレイ現場の簡単な説明が説明されていて、プレイ難度が星3段階で表記してある。教室にオフィス、自宅や電車内など8種類くらいだ。右下にある診察室の欄を読むと、どうやら女医&患者の設定がスタンダードで、えっちな診察がメインらしい。
難易度は星1.5。初級〜中級といったところか。オフィスや教室は星2以上だ。自由度が高い分クリエイティブ性が要求されるのだろう。
にしてもプレイの幅がありすぎである。各組み合わせを試すなら5年くらい通い続けてもコンプリート出来ないんじゃないか。あらためて自分がいる空間の異質さを実感する。


しばらく待合室で待っていると再びノヴが登場。初めての来店であること確認すると、カルテのような紙を渡される。プレイを開始する前にアンケート用紙に記入し、女の子にあらかじめ設定を伝えるのだという。

 

ノヴ 「本日は診察室希望とのことですので、お客様と女の子の設定、例えば患者とナースなどをお書きください。そして責めたい場合はこちらの赤枠、責められたい場合は青枠に丸をつけて頂き、枠内にプレイ内容の選択欄がございますのでご記入下さい。」

 

渡されたアンケートを見てびっくり。ざっくりではなくかなり細かくプレイ内容の選択が出来るようになっているのだ。責め方の痴女度具合まで完備されている。なーにが「えっちな治療にあなたはされるがまま!初めての方におすすめです!」だ。ぼくはすぐその欄に丸をつけた。


設定は勿論ぼくが患者で女の子がナースである。長期入院か短期入院なのかまで選べるぞ。ここは長期入院患者ということにしておこう。


次はプレイ内容。いくつか羅列されており、希望する場合は丸を、しない場合は×をするシステムらしい。迷ったものの、乳首舐めと垂涎に丸をつける。アナル責めを選ぶメンタルはなかった。

最後にオプションを選択。ローターやソックス持ち帰り、聖水など10種類弱あっただろうか。
右上の「ペンライト(夜這い用)無料」の欄に目がいく。なるほど、自宅で嫁や娘が寝てるところを襲うってシチュなのだろうと合点が行く。なんだここは。こういう後出しジャンケンはやめてほしい。同時に自分がいかに平々凡々なシチュを選択してしまったのか、という若干の後悔がよぎる。通えないのが残念でならない(まだ何も始まってないのに)。
ぼくは使用済パンティ持ち帰りの欄に丸をつけアンケート記入を終え、ノヴを待った。

 

 

ノヴはまだ来ない。時計を見るとまだ予定時刻まで10分もある。1分が長い。
ふと本棚の端あった黒いアルバムが目に入る。任侠ものの漫画は読む気にならなかったので、これを手に取る。日記?なんだろう。客の交流ノートかな。興味津々でそれを開く。

 

♡今日のプレイ♡
シチュ:電車
〜女子高生と痴漢プレイ〜

 

なるほど、プレイのサンプル集である。おそらく店のマニュアル的なものなのだろう。ページをめくると10ページにも満たない台本形式の会話が印刷されている。ほー、これは初心者にもありがたい。自宅シチュのページを見ると、

 

妻「おかえりなさい、あなた♡」
夫「ただいま。今日も疲れたよー」
妻「あらあら。今日はお風呂にする?ご飯にする?それとも、ワ・タ・シ?♡」
夫「じゃあお風呂にしようかな」
妻「つれないわねー。お湯は熱い方が良かった?」
夫「うん、そうしてくれるかな。じゃあ着替えてくるよ。」
妻「はいはい、じゃあお風呂入れてくるわね〜♡」
※記憶の限り原文ママである

 

ある種の衝撃を受ける。これじゃまるで日常だ。なんてこった。「じゃあお前を食べようかな!」なんて言ってそのまま玄関ファックに走るんじゃないのか。自分の安直さに笑ってしまう。そうか、ここは非日常であって日常なのか。まるでラーメンズのコントだ。じっくり雰囲気から作っていくんだ。セックスするだけなら適当なソープで良いもんな。未知の世界を見すぎてもうここ30分でぼくの情緒はズタズタである。

そんなことを思っていると「アンケートはお済みですか?」とノヴが登場。不備がないことを確認し、アンケートを回収する。

 

ノヴ
「では60分コース、診察室でお客様が患者、女の子がナース。責められる方をご希望で、希望プレイは乳首と涎でお間違いないですか?」

 

お間違いないが今後ぼくは上司の顔を見るたびにこのシーンを思い出す事になるのだろう。

「では割引込みで21000円になります」
お会計を終えると、ノヴはもう少しお待ちくださいねーと言って去っていく。
テレビに目をやると、女子野球のニュースがまだ続いていた。時計は予約時間を2分ほど回っている。そしてすぐノヴが現れぼくに告げる。

 

「お待たせいたしました。では先に手の消毒をさせて頂きますね。」


そう言われた僕は手を差し出し、霧吹きで消毒液をかけられる。

 

「それではお部屋にご案内いたします。」

 

ぼくはノヴに続いて待合室を出た。

 

 

後編に続く。

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